Million Dollar Consulting Proposals: How to Write a Proposal That's Accepted Every Time Paperback – November 4, 2011

最初、 1億円のコンサルティング、といった自己啓発を思わせるような少しふざけたタイトルだったのでその内容やいかほどかと少し懐疑的だったのだけれど、米アマゾンで評価が高かったので購入してみたのが本書。内容は非常にしっかりして、この本のコンセプトは１億円チャージできるようなコンサルティングの提案書を45分、2.5ページ程度で書くというのが本書のコンセプトだ。もちろん、ここで重要なことは提案書のコンテンツよりも、提案書を顧客の意思決定者、本書では Economic Buyerと呼んでいるが、こういった人をいかに見つけ、いかに提案書の決済をおこなってもらうかというプロセスについて書かれているのが嬉しい著作である。日本で出版されている提案書の書き方について書かれている本は、一般的に内容は凝り過ぎるくらい凝っているが、実際にどのようにこの提案書を通せば良いのかについてのプロセスについてはあまり書かれておらず、おそらくファームに勤めるなりして身につけなければいけない知識なのだろうが、本書ではこのあたりのプロセスについて書かれているのでその点は価値が高いと感じている。また、著者が提唱している Value-Based Fees があるが、時給で売り込むのではなく、予めROIの指標を設定し成果に応じて報酬を設定する方法が書かれているところが新しい試みなのだろう。何れにしても個人的には良書だと思っている。